東芝よ何処へ行く 海外事業でも巨損!? 青梅

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ノートパソコンと言えば、ダイナブック。
パーソナルユーザーだけに留まらず、
多くの企業からBTOの発注が相次いでいたらしい。
超薄型でカッコいいと、世界も注目した。
かつて市場を席巻したヒット商品が生まれた場所、
東芝青梅工場の敷地が既に売却され、
事業所の建屋は間もなく解体される運命にあるという。
人なり企業なり、栄華盛衰の流れは残酷物語でもある。
またひとつ、多摩地域を支えた柱が抜けてゆく。

東芝 青梅

交差点角の大きな看板
間もなく取り外されてしまうだろう

東芝 青梅

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時代の変化か、粉飾の穴埋めか

大型電算機の生産拠点として1968年に操業開始した東芝青梅事業所。
右肩上がりの高度経済成長によって、多摩の地をしっかりと踏みしめて来た。
パーソナルワープロRUPOを始め、数々のハイテク製品を普及させる原動力となり、
パソコンの出荷は昼夜を問わず、フル回転の操業を展開していた。
最近では生産拠点としての役割を終え、開発拠点として機能していたという。
研究開発の目的だけでは、やはりこの敷地は広すぎたのか?

東芝 青梅

高くひるがえる
優良企業のフラッグシップは何処へ

以前私はこの工場の生産ラインを見学させてもらったことがある。
広々とした通路が確保され、人の動線に資材や部品が置かれていることなど無く、
出荷前の商品も、所定の場所に所定の高さ以上に積まれていることなど無かった。
それでも見学者は、所定の安全靴と帽子を着用しなければ、フロアに入れない。
まかり間違っても労働事故は起こさないという、安全管理体制の徹底ぶりは、
世界に冠たる東芝のプライドを感じさせるに充分であった。
そこに一体何人くらいの人達が働いていたことだろう。
24時間休むことなく、交代制で入れ替わる労働者の月間延べ人数を、
説明員の方から聞いていたはずだが、すっかり忘れてしまった。
ラインフロア内に私語は無い、彼らは黙々と、粛々と自分の責任範囲の作業を、
ひたすら正確に処理し、次の工程へ送り出す。
それだけに、眺めまわしただけでは人数の見当すら付きかねる。
あれだけの人達があれだけ忙しく動き回っているのにも関らず、埃ひとつ無く、
ピカピカに磨き上げられた、緑色の床が印象的だった。

構内には何故か大型観光バスが2台
見学ツアー? まさか・・・

東芝 青梅

バス停の名称も変えなくてはならないだろう
影響は広範囲に及ぶ

米国内での原子力事業で数千億の損失も?

野村不動産におよそ100億円で売却されたという青梅事業所。
去年のうちに売却は完了し、今は東芝が賃料を支払っている立場であるという。
しかし、粉飾会計は400億円規模であると伝えられ、
それによって損害を受けた株主の集団訴訟で、請求されている賠償額は、
現時点で19億円に達すると言う。
加えて、海外事業での赤字も追い打ちをかけているようだ。

なお、青梅事業所は2017年3月末に閉鎖し、青梅事業所に勤務する当社および、
当社グループ従業員は、移転した先にて勤務を継続する予定です。

事業閉鎖に追い込まれた企業が、判で押したように発表するプレスリリース。
救済されるのは、あくまで「グループ企業」の従業員まで、である。
青梅工場で働いていたのは、そうしたプロパーの社員ばかりではない。
下請け企業、取引先企業の多くは、体力の無い中小企業であると思われる。
それに、あれだけピカピカに磨かれていた床は、稼働の合間を縫うようにして、
絶えず清掃業者の人達が、磨き込んでいたからに違いない。
そうした末端の労働者達は、今年4月以降もう仕事は無い。

JR青梅線、小作駅から事業所へ向かう途中には、労働者が利用する細やかな飲食店街。
これらのお店も、当然ながらその存続が危ぶまれている。
歴代3社長によるとみられる不適切な粉飾会計事件。
オリンパスと並んで、歴史上の汚点となりうる経済事案であろう。
現行役員の報酬カット、賞与の支給中止などが報道されているが、
事件に関与したとされる人物の刑事告発は、どうやら困難であるらしい。
彼らにとって、役員報酬のカットなど痛くも痒くもないだろう、
既に相当の財を成し、一等地に邸宅を構えるセレブ達にとっては、
「何処吹く風」の事業所閉鎖なのである。
こうした輩に「私財没収」などの厳罰を与えることの出来ない経済大国、
それが日本である。

東芝 青梅

紅梅の季節
来年の今頃は、もうこの風景は無いだろう。

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