国分寺と言えば「エックス山」と答える人は
かなりの「国分寺通」だと思います。
実態はただの雑木林、多少の起伏はあっても
「山」と呼ぶにはあまりに平らな地形、
いったいここは何なのでしょうか?
意外と古い エックス山の歴史
「ブラタモリ」で国分寺が取り上げられた際、タモリさんがマップを見ながらしきりに感心していたのは、
「エックス山」という名の雑木林、番組の中で実際にそこを訪れた訳ではありませんが、
珍しいのは場所そのものではなく、カタカナ表記でしかもアルファベットを用いた名前です。
ここにはどんな由来があるのか、筆者の知る限りのことを綴ってみたいと思います。
エックス山は国分寺市西恋ヶ窪にあり、正式には「西恋ヶ窪緑地」というのだそうです。
「だそうです」と書いたのは、この正式名称こそ「後付け」のもので、
もともとここは「エックス山」が正式名称のようなものです。
昭和三十四年生まれの筆者がもの心ついた時には既にエックス山と呼ばれていたのです。
ということは遅くとも昭和三十年代前半には既にここを「エックス山」と命名した人物がいたことになります。
当時はまだ私有林であったため正式な呼び名などなく、みんながそう呼んでいたから「エックス山」になったのです。
幻のクロスロード
呼び名の由来については現地の案内板にも記されている通り、
「森の中で小路が交差していたから」ということで間違いありません。
国土地理院の航空写真を見れば一目瞭然です。
森の上にくっきりと「X」の文字が浮かび上がって見えます。
昭和四十年代後半までは残っていたのですが、同五十年頃に市の都市計画道路建設によって消滅、
「幻のクロスロード」になってしまいました。
現在の「日吉町四丁目」信号の横断歩道南側より約5メートル程東側にそのクロスポイントがありました。
私が子供の頃はもっと広く、お世辞にも手入れが行き届いていたとは言えず、
下草が生い茂る上に密集した樹木によって鬱蒼とし、昼間でも森の中は真っ暗でした。
当時の大人たちは「エックス山」と言えば「気味の悪い危険な場所」というイメージを持っていて、
子供がそこを遊び場にすることを禁じる傾向が強くありました。
次回はこの「エックス山」の「命名者」について考察してみようと思います。
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