多摩都市モノレールが立川北-上北台間で部分開通した時、
私は運悪く病に侵されて入院中でした。
月に何度か許されていた一時帰宅の際、
次はタクシーを使わずに開通したばかりのモノレールに乗って
家に帰ろうと決めていました。
体力回復のためのリハビリのつもりでしたが、
本音はやはりモノレールからの眺めを
早く体験したかったからです。
随分長い期間建設工事が行われていた多摩モノレールでしたが、
建設中に阪神淡路大震災が発生したために、橋脚の耐震補強工事が追加されて、
ただでさえ遅れていた開通が更に延期になってしまいました。
多摩地域に住む人たちにとって、モノレールの部分開通は首を長くして待ち望んでいたことでした。
利便性や経済効果もさることながら、
「乗り物ファン」の私にとっては多摩地域で初めて高架橋を走る
モノレールからの眺望に興味津々であった訳です。
思っていたよりもその景色は素晴らしく、富士山をはじめ丹沢から秩父連山にかけての眺望は、
多摩の人々にとって失われていた景観を取り戻すに充分でした。
都心のような高層建築物が無い多摩地域では、少し高い所に昇るだけでも、
想像以上に遠くまで眺望できることが判りました。
その後多摩センターまでの全線が開通したときも、真っ先に眺めを観る目的で乗車しました。
多摩を南北に貫くモノレールは、中心都市立川を過ぎると多摩川を渡り
新選組の土方歳三ゆかりの地に至りますが、
このあたりが最も眺めの良いポイントだと思います。
モノレールは多摩動物公園を過ぎると一転してトンネルに入ります。
多摩丘陵を超えて中央大学多摩キャンパスの前を通過すると、また高架橋に戻ります。
多摩の地形を余すことなく体験できる多摩都市モノレールは、地域住民にとってだけでなく、
もうひとつの東京を広く知ってもらうためにも役立ちそうに思えます。
記事の末尾に多摩モノレールの前面展望動画を掲載しています。
私がこれをYouTubeに投稿したのはもう一年以上前になりますが、訳があって走行音を消しました。
代わりにショパンのピアノ曲を演奏者の許諾を得て、適当にBGMとして被せてみたのですが、
これが笑ってしまうくらいハマっているのです。
本当に何の目論見も無く、テキトーに楽曲を並べただけなのですが、でも結果オーライだったのです。
終点の多摩センターにさしかかる所で走行音を戻していますが、
そこで「何故消したのか?」を御理解頂けるものと思います。(笑)
私自身もたまにこの動画を自分で愉しんでいます。
勿論YouTubeではなく原版を再生しているのですが、不思議と落ち着いた気分になれます。
多摩の街並みにショパンの調べがこれほど似合うとは思いませんでした。
多摩都市モノレール全線で約40分の動画です、お時間のある時に是非終点まで「ご乗車」下さい。
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