モンスーン・ジャイアが日本を襲う 多摩はここに注意

シェアする

リオ五輪が終わり、甲子園も終わるともう夏もおしまい。
子供たちの夏休みも残り少なくなりましたが、
去る20日、多摩地域にも豪雨をもたらした台風10号が、
どうやら大きくなって帰って来そうです。
資産運用ならこんないい話はありませんが、
台風となると、ちょっと気がかりですね。
今後の動向と、備えについて考えてみたいと思います。

スポンサーリンク
スポンサーリンク

南海の巨大渦 モンスーン・ジャイア

去る7月3日の当方の記事内で、
熱帯の雲の動きを「寒冷渦による」、と説明しました。
気象庁の解説資料の文言をそのまま用いたためですが、
その時点ではそこにある風の渦巻きが、
雲のてっぺんに降り注ぐ真夏の日差しで雲粒が蒸発し、
気化熱が奪われることで発生するUCL(上層寒冷低気圧)にようなもの、
という認識であったのだと思います。
しかし、その後の観測で徐々にその正体が露わになって来ました。

モンスーン・ジャイア

出典:毎日新聞社
南海上に現れた巨大な風の循環、モンスーン・ジャイア

例年ならば、日本の遥か南海上に中心を持ち、
日本列島をすっぽり覆っているはずの太平洋高気圧が、
南方で勢力が弱まり、中心が北東に偏移しています。
そのため南海上に規模の大きな低気圧が出現したのです。
低気圧といっても、天気図上に丸い等圧線で示されるようなはっきりとしたものではなく、
ここでは反時計回りの風の循環のことだと思って下さい。
その循環の直径は台風の2~3倍もある巨大なもので、
日本列島がすっぽりと収まってしまうくらいです。
この風の循環を、モンスーン・ジャイアと云います。
昨年7月から運用が始まった「ひまわり8号」によって、
より高い頻度で南海の雲を追跡できるようになったお陰で、
このモンスーン・ジャイアの存在を掴むことが出来たのです。
なぜこのような風の循環が起きるのかはまだ解りませんが、
気象庁では引き続きこの風を詳しく分析すると共に、航空機による直接観測も実施するとのことです。

衛星雲画像

気象庁 衛星雲画像 8月27日 14:00
1週間前に比べ発達した台風10号、日本列島にはジェット気流の雲、その北側には寒冷渦も

迷走の果て やはり帰って来たか

東日本から北日本に向けて立て続けに直撃する台風に、
今年は異常気象であるという認識が定着しつつあるようです。
7月までに発生した台風が4個というのは、確かに少ないと言えそうですが、
8月に入ってもう7個も発生しています。
モンスーン・ジャイアは台風を量産する効果があるようです。
気象庁の台風進路予想図を見ますと、確かに「迷走したあげくの最接近」という、
かつて経験のないパターンになっています。
1週間前と比較して変わっているのは、衛生雲画像で見るように、
夏と秋を分けるジェット気流が日本上空に現れていることです。
この強い西風の出現によって台風10号がUターンしたと考えられます。
暫くはこのジェット気流が卓越するため、台風は東寄りに進みますが、
30日頃にはこのジェット気流が弱まるため、
代わってモンスーン・ジャイアの東風がより卓越し、台風の向きを変えます。
そして、30日から31日にかけて日本に上陸するシナリオとなります。

台風進路予想図

気象庁台風進路予想図 8月27日 正午発表
予報円の大きさは、上陸位置が近畿から北海道にかけての何処かである事を意味する。

気象庁の発表する「台風進路予想図」の正しい見方が意外と知られていないようです。
予報円は日を追うごとに大きくなっていますが、これは台風の勢力が増すと予想しているのではなく、
円が大きくなればなるほど予想が難しくなっているという意味です。
予報時点での台風の位置は予報円内の何処をとっても70%の確率です。
従って予報円の中心を結ぶ「中心線」は、あまり意味を持ちません。
監視すべきは、正確な通過位置です。
もし、あなたが東京多摩地域にお住まいならば、
その東を通るか西を通るかで、風による影響に違いが出ます。
一般に前者を「可航半円」と呼び、比較的安全とされますが、
後者は逆に「危険半円」ということになり、雨風ともに最大級の警戒が必要となります。
しかし、先日22日の台風9号通過の際、多摩地域は「可航半円」のはずでしたが、
雨による冠水被害があちこちで続出するなど、過去に記憶の無い事態となりました。
「その日」が近付くほど、予報円は小さくなり、通過位置が予想し易くなります。
台風が運ばれる経路が例年と異なり、比較的強い勢力を保った状態での上陸となりますので、
何時にも増して警戒して下さいますよう、私からもお願い致します。

実況天気図

気象庁実況天気図 8月27日 9:00現在

今年はモンスーン・ジャイアという聞きなれない化け物が出現しています。
太平洋高気圧の南辺を吹く風を、一般に「貿易風」といい、
南太平洋上で発生した台風などをフィリピン海域に運びます。
今年はそれが北にずれました。
そのため、熱帯の対流雲全体が北に盛り上がって見えています。
この現象は、大局的には地球規模の熱循環が行われていることを意味します。
加熱し過ぎた熱帯付近の大気と、冷たい北極付近の大気を入れ替えて、
極端な南北の温度差を調節しているのです。
まるで地球が意思を持って、自身の「体温調節」を行っているようです。
これは異常ではなく、正常なことです。
生きている地球に生かされている人類、前向きに備えることが肝要と心得ます。

スポンサーリンク
スポンサーリンク

シェアする

フォローする

スポンサーリンク
スポンサーリンク