多摩を襲う集中豪雨 ここに注意!

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台風が3個接近中です。
そのうちの9号は関東に上陸する予報ですが、
それにしても今年の台風進路は例年に無く
特異な経路を辿ってやって来るようです。
昨日は多摩地域でも断続的な豪雨となり、
冠水してしまった所もあったようですが、
多摩の気象の特徴と今年の傾向について
少し考えてみたいと思います。

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比較的安全な多摩

多摩地域は都心部に比べてそれほど激しい気象現象は起きにくい傾向にあります。
何故ならば、多摩の西面と北面の高い山脈によって風がブロックされるため、
寒冷前線などの活動が弱められるからです。
雷などの激しい現象を起こすのは、主に上空の寒気です。
この寒気はくさび状の角度を持って地表と接するために、
多摩西部の秩父山系など2000メートル級の壁に突き当たると、
地表との間に大きな三角形の空間が出来、
その中に多摩地域がほぼすっぽり収まってしまうためと考えられます。
そこで、寒気を伴う前線が山岳を乗り越えて再び地表と接するのは、
どのあたりかを三角関数を用いて概算すると、概ね羽田空港のあたり、という結果が出ています。
多摩地域では穏やかな天気でも、羽田発の航空機は欠航する可能性もあるわけです。

期初y鳥天気図

気象庁地上解析図
8月21日 午前3時実況

今年は多摩も注意が必要

さて、ここで今朝の天気図を見てみます。
これは主に気象の専門家が使用する天気図なので少し見にくいかも知れませんが、
北太平洋に中心を持つ高気圧に着目してください。
これが所謂「太平洋高気圧」と呼ばれるもので、夏という季節の主役なわけですが、
この主役が大きく北に偏っているのが今年の特徴です。
例年ならば一旦西へ流される筈の台風が、南から直接関東付近に北上してしまうのは、
この高気圧の周辺を廻る気流がそもそも北にずれているためです。
衛星写真を見ますと、台風の北上というよりも、
熱帯収束帯の雲列が直接北に盛り上がっているようにさえ見えます。
太平洋高気圧の周囲を時計回りに吹く風が、如何に威力を持っているかが判ります。
では何故このように「北偏」しているのか?
南太平洋東部のエルニーニョ現象によって、当該海域の海面水温が上昇し、
それによって周囲の空気が膨張して低圧となったため、相対的に北太平洋が高圧帯となった。
というのが一般的な解釈ですが、
気候学的な説明にはもう少し長期間のデータが集まってからでないと、
なかなか断定的なことは言えないのです。

気象庁衛星画像

気象庁 衛星雲画像
8月20日 13:00

気象庁レーダー画像

気象庁 高解像度レーダー降水ナウキャスト
8月20日 13:00

関東の南海上を西へ向かう台風10号と、北北東へ向かう11号が昨日は接近していました。
そのため10号から吹く南西の風と、11号から吹く北東の風が東京上空で衝突し、
レーダー画像に見るような南北に延びる線状の積乱雲が発達しました。
多摩地域でこのようなラインエコーが発生するのは極めて珍しいことなのです。
私が気象予報士になったのは平成8年ですが、それ以来ちょっと記憶にありません。
前述したように多摩の西と北は山岳によってブロックされますが、
南と東面にはそのような「保護壁」がありません。
そのため湿度の高い気流が多摩上空でまともにぶつかったのです。
このような「ラインエコー」というのは、防災上極めて危険ということで、
気象予報士の間では留意すべき現象とされています。
短時間の集中豪雨のみならず、雲頂が氷点高度を超えれば忽ち雷雲と化すため、
突然の落雷もあり得ます。
昨日世田谷区でマンホールの蓋をすっ飛ばしたのも、このエコーが犯人です。
というわけで、今年は太平洋高気圧の勢力が弱まるまでは、いつもと違う台風の接近がありそうです。
特に明日から明後日にかけて上陸が予想される台風9号の進路が、
「御自身の居場所」の西側を通る際には充分に警戒なさって下さい。

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