ゴーン・ショックに、武蔵村山の複雑

スポンサーリンク

日産自動車村山工場が完全閉鎖されて14年が経つ。
広大な敷地は今も「草原」のまま、ただ風が吹いているだけである。
私は以前からここを「ゴーン平原」と名付けていた。
彼によってリストラされた町と、そこに暮す人々は、
今さぞかし複雑な心境で毎日の報道に接していることだろう。
やっぱり、あいつも私利私欲の塊だったのか・・・。

国土地理院より
スカイラインGTRが世に出た1970年頃の日産村山工場。
大阪万博で日本経済は大いに盛り上がっていた。
下は現在の「ゴーン平原」(GoogleMAP)

スポンサーリンク

盗人に追い銭の日本、寒風の武蔵村山

「金融商品取引法違反」という罪名に、何かピンと来ないのは筆者だけだろうか?
会社の金を不正に着服、ネコババすれば普通は「業務上横領」とか、「窃盗」とか、
それなりに、「それらしい」罪名が付きそうなものであるが…。
平社員のしたことであれば、金額に依らず即クビとなることは言うまでも無く、
刑事告訴されて「〇〇年以下の懲役、〇〇万円以下の罰金」に処せられてしまうだろう。
それが企業のトップであったというだけで、釈明の機会が与えられ、
解任後も報酬が支払われる(?)などという、こんな馬鹿げた話が何処の世界にあるのか?
それも不正に流用した金額は、少なくとも数十億、多ければ百億超え…。
もし国家の体制が体制なら、「銃殺刑」に処せられてもおかしくはないだろう。
しかも「外国人」ということもあり、今後の展開は一体どうなるのか? 目が離せない。
母国のルノーは、彼をトップの座から解任しないという決定をしている。
しかもルノー社の筆頭株主はフランス政府だというから、日本も随分舐められたものだ。

スカイラインを生んだ誇りある町

プリンスの丘公園に設置されている「スカイライン発祥の地」記念碑

多くの労働者が額に汗して掴み取った「スカイラインの誇り」。

1962年、プリンス自動車村山工場として操業を開始してから42年間、
日産自動車と合併後も町は、グロリア、スカイラインなど「クルマの生産」で大忙しだった。
しかし、栄える者は何時かは滅びる。
それも外国からやって来たカリスマ経営者によって、武蔵村山は「草原」と化した。
グローバリズムの名のもとに、すっかり「私物化」された日産。
彼は世界中に複数の豪邸を持っている、私物化した会社に買わせた豪邸を。
そればかりか、家族旅行の費用数千万円もその会社が拠出した。
かつて武蔵村山で生産に携わった人々が、額に汗して稼ぎ出したお金も含まれるはずだが、
このような輩に、このような形で消費されようとは、誰が想像していただろう。
まして工場が閉鎖されて以降、町工場の多くは廃業、転業を余儀なくされ、
今日まで人々にとって、血の滲むような年月であったはずだ。
神は人類を平等にお造りになったというならば、
願わくば、カルロス・ゴーンにも栄枯盛衰の悲哀が平等に訪れんことを。

プリンスの丘

ただ風が吹いているだけ

昨年亡くなったフォークシンガー、端田宜彦さんが唄っていた「風」。
北山修氏の詞によるものだが、何故か武蔵村山「ゴーン平原」によく似合う。
最後にその歌詞の一部を引用させて頂く。

人は誰も人生につまずいて
人は誰も夢破れ振りかえる

帰っておいでよと振りかえっても
そこにはただ風が吹いているだけ

コメント

タイトルとURLをコピーしました