多摩地域には国分寺崖線に代表されるような、
古代の河川浸食によって形成された武蔵野台地が有り、
その崖下から滾々と湧き出る泉は、東京の名水として、
遠方から水を汲みに来る人も沢山居られるようです。
しかし現地で調査をしていると、誠に残念な事ですが
その名水にも現代特有のある問題が発生している事を
知る結果となったのです。
![](https://www13.a8.net/0.gif?a8mat=2NOODG+6KD3XU+3EV2+HZXM9)
![貫井神社](http://tamaranzaka.net/wp-content/uploads/2016/09/nu05.jpg)
小金井市 貫井神社
聞こえるのは風の音、癒しの空間だ。
![貫井プール記念碑](http://tamaranzaka.net/wp-content/uploads/2016/09/nu07.jpg)
貫井プール記念碑
大正12年、総工費1300円、町の誇りだった。
![貫井プール](http://tamaranzaka.net/wp-content/uploads/2016/09/nu02.jpg)
昭和46年 国土地理院
在りし日の「貫井プール」、周辺には幾つかの湧水
超贅沢な ”名水プール”
小金井市の貫井神社は、そこから湧き出る水から「小金井」という地名の元となった場所です。
神社入口に「貫井プール記念碑」という石板が建てられています。
プールの記念碑というのは全国的にも珍しいのではないでしょうか?
碑文によると、大正12年に造られたそうですから、なるほど記念すべき事業であったようです。
昭和46年の航空写真を見ると、確かにありました。
小金井第4小学校のプールと比べても随分大きくて立派なものです。
長さ50m、幅16m、深さ1.6m、そこに貫井神社の「名水」を満たしていたというのですから、
なんという贅沢なプールだったのでしょうか。
周囲を観ますと東京経済大学構内の「新次郎池」や、滄浪泉園(そうろうせんえん)緑地の池も見え、
なるほど「ハケ下湧水群」とはこのことか、と納得がゆきますね。
![貫井神社](http://tamaranzaka.net/wp-content/uploads/2016/09/nu08.jpg)
暗がりの奥、崖線の下から沸くき出す泉、なんとも涼しげな光景だ
![貫井神社 湧水](http://tamaranzaka.net/wp-content/uploads/2016/09/nu09.jpg)
「飲めない名水」の意味するところは?
もう枯れたと思え!!
さて、冒頭に書いた「現代特有の問題」についてですが、
この名水を求めて神社を訪れる人は後を絶たず、
中にはここの水でコーヒーを入れて喫茶店で出しているところもあるとか。
しかし神社の管理人さんはこう言います。
「普通にお参りをする人以外、もう誰も来ないで欲しい」。
詳しく話を訊いてみると、わいわいガヤガヤと集団で訪れては、
水を汲むだけではなく、石は倒すはゴミは散らかすは・・・。
挙句の果ては、「名水というから飲んだのに、腹を壊した」などと、
クレームを付けて来た人物がいたらしいのです。
これはもう、子供の頃の躾云々ではなく、明らかに大人になってから身に着けた性質なのでしょう。
「うつ病社会」のウラの顔とでも言うべきものだと思います。
「飲料水には適しません」の看板の意味がお判りになったでしょうか?
「?」という方は、どうか行間を読んでください・・・、としか申し上げようもありません。
管理人さんが最後に呟いたひとことが印象的でした。
「元々プールで使ってた水なんだから、飲めないはずがない」。
![貫井プール跡](http://tamaranzaka.net/wp-content/uploads/2016/09/nu10.jpg)
50mの貫井プールがあった場所
今は駐車場になっている
![](https://www14.a8.net/0.gif?a8mat=2NOWZ5+AC3XV6+37M8+63WO1)
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