「箱根」といえば何といっても天下の剣。
「崎」といえば一般的に海に突き出た地形の事。
しかしここは海でも山でもない、東京都瑞穂町。
どうしてこんな地名になったのでしょう?
実は意外なものが語源と判りました。
山でも海でもない 箱根ヶ崎
「随分理不尽な地名だなあ」と感じていたのは私だけでしょうか?
八王子からJR八高線に乗って、拝島を過ぎて二つ目が「箱根ヶ崎」。
リゾート地でも温泉場でもなく、普通の住宅街です。
ただ東京にしては少しだけ趣の異なる景観かもしれませんが。
というのも、近くに狭山丘陵の緑地が広がっているからです。
「東京の外れ」と云ったら地元の人たちに怒られそうですが、
事実埼玉県境のすぐ近くになります。
ところで「狭山」といえばやっぱり「埼玉県」のイメージですね、私は。
都県境の狭山湖はともかくとして、
「狭山神社」までが埼玉ではなく東京側に在ったとは意外でした。
しかも神社のすぐそばには「狭山池」までありました。
実は先日図書館で調べものをしていた際、
偶然「箱根ヶ崎」の由来について書かれた資料を見つけたのですが、
この「狭山池」こそが「箱根ヶ崎」の地名の語源になっていたのです。
「狭山池緑地公園」として整備されているこの池には、
中央に「厳島神社」が迫り出しています。
もちろん「ミニ厳島」なのですが、どうもこの池には古い歴史がありそうだな、
ということがその風情からも見て取れます。
よく池の周りを散策してみますと、ありました。
「筥の池」、一見すると読み方の判らない漢字ですが、
「営」の字らしくこれで「ハコのイケ」と読むそうです。
営 ⇒ 函 ⇒ 箱
と変化したのだそうです。
池自体はだいぶ古くから存在していたようで、
次の写真にその由来書きがありますので、まあとりあえずお読みください。
なるほど、この池は万葉の歌人に詠まれていたのですね。
それなら「魚釣り」などもっての他、ですか・・・。
「ハコの池」については解りましたが、それが何故「箱根ヶ崎」の地名になったのか?
由来書きにはそこの詳細は書かれていませんね。
ハイ、それでは本ブログ得意の「国土地理院航空写真」をご覧あれ。
この写真を見れば納得がゆくと思います。
狭山丘陵の西端を上空から見ると、あたかも海に突き出した岬のようで、
細かな入り江の様子が特にその趣を持っています。
由来書きにあるように、周囲の平地が洪水で水浸しになった場合を想像すれば、
まさにこの丘からの眺めは古来「箱の池の岬」であったろうと思います。
箱根ヶ崎に駒形富士山 恐るべし瑞穂町!
狭山神社の横を通る都道環状線を少し北へ向かうと今度は、
「駒形富士山」という名前の信号があります。
「駒形」といえば、隅田川に程近い「どぜう」で有名な下町。
「富士山」といえば、日本百名山にして世界文化遺産。
いったいこの町は何処なのだ! 恐るべし東京都瑞穂町。
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