関東に雪の予報 54年ぶりの珍事?

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明日は関東地方に雪の予報が出ています。
これは11月としては54年ぶりのことだそうです。
中高年世代でも記憶が少ない出来事となります。
明日の関東地方、特に多摩地域では、
どのくらいの降雪があるのか?
通勤通学の足に影響はあるのか? 等々、
最新の観測データをもとに検討してみます。

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南岸に低気圧 早春のような

関東雪予報

気象庁予想天気図
11月24日 午前9時の予想

明日午前9時の予想天気図を見ますと、
関東南岸で今夜発生した低気圧が、やや発達した状態になっています。
関東地方に降雪をもたらす典型的な気圧配置ですが、
本来は2月から3月にかけてよく見られる天気図です。
山陰沖の日本海にもう一つ低気圧がありますが、
これに向かっては南風が吹き込むため、西日本では雪ではなく雨の予報となります。

今は本格的な冬に向かって、季節が進行しているところです。
季節の変化をもたらすのは、主に上空のジェット気流の位置ですが、
シベリアの寒気に押されて徐々に南下している最中です。
丁度その途中でヒマラヤの高山に架かっているため、
気流が二つに裂かれて、二本の流れとなって日本付近に到達しているところです。
この場合、低気圧は南北に分かれた「二つ玉」となりますが、
今回はその北側の一つがやや遅れて進行しているため、
先行する南岸低気圧によって関東に降雪がもたらされます。
昨日は良い天気で、少し暑いくらいに感じましたが、一転して強い寒気が入り込んだのは、
その暖気をもたらした日本海の低気圧が、東海上に足早に抜けて発達したためですが、
このように低気圧の発達具合によって、日本列島の天気は大きく左右されているのです。
では下の図を見て下さい。

関東雪予報

気象庁海面水温実況図
海面水温の平年偏差

この図は日本近海の海面水温の現在の状態が、平年と比べてどうなっているかを示したものです。
平年より高い海域が赤く、低い海域が青色に着色されています。
東シナ海から南に平年よりも1~2℃高い海水域が広がっています。
今年一年を振り返ってみると、前半はエルニーニョ現象の影響で南海上の海水温が平年より低く、
そのため台風の発生がありませんでした。
秋以降は一転してラニーニャ現象となり、フィリピン海域で次々と台風が発生したことで、
先月上旬までは、蒸し暑い日が多くなっていました。
その名残が日本南岸の高温水域ではないかと思われます。
低気圧は一般的に高い海水温の上で発達します、
平年並みならばそれほど発達しない位置にある低気圧が、
僅かな温度の高さでもエネルギーの供給を受けて発達すれば、北から寒気を引き下ろしてしまいます。
54年ぶりという事象の説明としては少し弱いかも知れませんが、
現在言えることはそのくらいでしょうか。

さて、明日の関東地方、特に多摩地域の積雪量ですが、気象庁の発表に先立って、
私の予報士仲間から先ほど独自の計算結果が届きました。
それによると多摩地域、特に八王子や青梅では多いところで15cm
その他では10cmという結果です。
都心部ではそれよりやや少なめの見込みですが、
気温が低いので路面凍結など滑りやすくなっているはずです。
交通機関ですが、前日にはっきりと「雪予報」が出ていますので、
今夜のうちに対策が取られると思いますが、
もし万一予報が「甘い」方に外れれば、混乱は避けられないと思います。

木枯らしと空っ風

木枯らし

一夜で半分になった紅葉

上の写真は私の家の近くにあるもみじの木ですが、左は昨日、右は今日撮影したものです。
たった一夜の木枯らしで紅葉が半分になってしまいました。
これから更に、ジェット気流は寒気に押されて南下し、
日本列島はすっぽりと冬の空気に包まれることでしょう。
昔「木枯らし紋次郎」というTV時代劇がありました、主人公は上州群馬の出身ですが、
このあたりでは「木枯らし」ではなく「空っ風」というのではないでしょうか?
遠くシベリアから吹く寒い風に、日本海の対馬暖流から受けた水蒸気のせいで、
日本海側には豪雪をもたらし、
反対側の上州群馬には、水分を失った乾燥風がフェーン現象を伴って吹き下ろす。
これが「空っ風」、何が「空」だか良く判る名前ですね。
これが関東付近の太平洋側まで来ると、「木枯らし」と呼び、冬晴れが続くようになります。

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