早朝の津波警報に改めて思う これがもし多摩だったら

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早朝の津波警報に肝を冷やした地域の皆様には、
ともあれ、「この程度で良かった」、と申し上げます。
東北の太平洋岸では、3.11を含めこれで3回目ですね。
何度経験しても、「もう慣れた」はあり得ません。
加えて、気象庁では今春の熊本地震以来、
「余震」という言葉は使わなくなったそうです。
もっと大きな揺れと、津波が押し寄せては困るから、
何とも無責任な気もしますが、これが現実です。

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引き裂かれる多摩

東京多摩地域では、津波の心配はまずありませんが、
気になるのは以前の記事でも取り上げた「立川断層」の存在です。
立川断層は相当前からその存在は知られてはいましたが、
東日本以前は殆ど誰も注目する存在ではありませんでした。
3.11以降、確かに各地で地震が頻発するようになったことは否めませんが、
以来立川断層の評価は二転三転していることを以前の記事でお伝えしました。

立川断層

地図センターより引用
立川断層の位置

立川断層

地図センターより引用
トレンチ調査で露出した立川断層 武蔵村山市

今回の福島県沖を震源とする地震はM7.4と発表されましたが、
この立川断層も現時点では、これが動いた時の地震エネルギーとしてM7.4が想定されています。
津波が無いとはいえ、このエネルギーによって多摩地域は北西から南東に向かって引き裂かれ、
真っ二つになってしまうことでしょう。
それだけではありません、この断層がずれ動くということは、
東京にとって致命的な打撃が与えられることを意味します。
昨今、誰もが危惧する「首都直下型」とはこのタイプの地震のことです。

立川断層

地盤の揺れやすさを示すハザードマップ

まず自分が助かるように 決して卑怯ではない!

念のためにハザードマップを点検してみました。
意外なことに、断層により近い多摩地域は、
東京全体の中では「揺れにくい」地盤に相当するようです。
一方、都内東部の「江東、墨田、葛飾、江戸川、荒川、足立」などの地域は、
「危険ゾーン」になっています。
地質学的なことは良く存じませんが、この地域は確かに多摩より住宅が密集しています。
特に「東京スカイツリー」のお膝元である墨田区は、戦災を免れた地域を含め、
古い木造の住宅がビッシリな場所もありますね。
スカイツリーは最新の耐震建築でも、他はひとたまりもありません。
残念ながら、国の防災対策は「言い訳程度」のものばかりであることが、
これまでに繰り返されてきた幾つかの災害から浮き彫りになっています。
「焼け跡に立つスカイツリー」の光景は、
この国の行政の現実を全世界に曝け出すことになるでしょう。

立川断層

立川断層が横切っているとされる「残堀川の人工堀」付近
もし今巨大地震が起きれば、私は大地の裂け目に落下してしまうだろう。

私の住む多摩地域は、都心に比べれば避難する場所も多く、
「生き残り」の可能性は幾分高いように感じられます。
しかし、もし「立川断層」が本当に動けば、誰も想像しないような破壊力に、
「直近」で襲われることになります。
津波の到達には、いくらかの時間的猶予がありますが、直下型の破壊は「即時」に行われます。
揺れている最中の判断と行動が命運を分けるであろうことは、誰にとっても必然でしょう。
今一度、私は「とにかく隣の公園まで」、と肝に銘じ直した朝でした。

関連記事:立川断層の戦々恐々は何だったのか

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